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用語集

1

  • 10J

    パテック フィリップのキャリバー名における略称《10日巻》の意.

2

  • 24H

    パテック フィリップのキャリバー名における略称《24時間表示サブダイヤル》の意.

B

  • Beveling – ベベルカット

    《面取り》の項を参照。
  • Blank – エボーシュ

    文字盤の元となるディスクの素材。

C

  • C

    パテック フィリップのキャリバー名における略称. 《シンプルカレンダー (日付表示のみ) 》の意.
  • CH

    パテック フィリップのキャリバー名における略称. 《クロノグラフ》の意.
  • Chamfering – 面取り

    フランス語で《anglage》。構成部品の上面と側面のなす直角の縁を、手作業で45度の角度に滑らかに削り取り、バフがけによりポリッシュします。面取りは摩擦軽減、または美的な理由から行なわれます。
  • CHR

    パテック フィリップのキャリバー名における略称. 《スプリット秒針クロノグラフ》の意.
  • Circular graining – ペルラージュ

    フランス語の《ペルラージュ》は《パール》から来ています。地板(メインプレート)や受け(ブリッジ)に施します。磨剤を含んだ合成樹脂のスティックを小型の電動グラインダーに装着して回転させ、真珠のような模様を鱗状に重ねてつけていきます。
  • Circular satin brushing – 回転サテン仕上げ

    細かい同心円状の、立体的な視覚効果を与えるサテン仕上げ。ケースバックなどに施されます。
  • Circular satin finish – サークラージュ

    歯車など、真鍮や洋銀の部品は、旋盤とサンドペーパーにより、細かい同心円状のサテン仕上げを行います。これをフランス語で《サークラージュ》と呼んでいます。
  • CITES

    《絶滅のおそれある野生動植物の国際取引に関する条約》通称ワシントン条約. この国際条約は野生動植物の国際取引に当り, その所属する種の存続を脅かしてはならないことを取り決めたものです. パテック フィリップの革バンドは, CITESに準拠した養殖動物のみを素材として使用しています.
  • CL

    パテック フィリップのキャリバー名における略称. 《星座表 (天空星座図)》の意.
  • CNC

    コンピュータ数値制御の略称.
  • COSC

    《スイス公式クロノメーター試験》の略称.

D

  • Décalque – 転写

    転写(パッド印刷またはタコ印刷)は、平面または曲面の文字盤上に数字、分スケール、サブダイヤル、ロゴなどを、画像を刻印したスチール版(凹版)とシリコン球を用いてプリントします。転写の各段階、各色ごとに、文字盤を加熱室に入れて1時間、インクを乾燥させます。

E

  • E

    パテック フィリップのキャリバー名における略称. 《電子式ムーブメント》の意.
  • Electroplating – プレート(めっき)

    電気めっきの項を参照。
  • Emerizing – エメリー研磨

    滑らかな傷のない光沢ある表面をつくり上げるケースやブレスレットの仕上げ方法。サンドペーパーの上でパーツを8の字型に滑らせて滑らかな仕上げ面をつくり出します。またラップ研磨は、鋳鉄製の平らなプレートに研磨剤を水や油に混ぜた液を塗り、その上で行ないます。
  • Enameling – 七宝

    七宝は、珪砂(石英)を主成分とするガラス質の物質にさまざまな酸化金属を混ぜることにより、鮮やかな色彩を得ることができます。これを粉末状にし、水や油を加えます。下処理を施した金属表面にこれを塗り、乾燥させた後、炉で摂氏約850度に加熱します。融けた釉薬は、金属表面にきわめて硬く変質しないガラス質の膜を形成します。釉薬を塗って加熱する工程を繰り返し、その回数は十数回におよぶこともあります。
  • Engraving – 彫金

    ケース、文字盤などに創造性溢れるモチーフによる彫り込みを施すこと。彫金家はテーマを決め、モチーフを鉛筆で素描します。小さな金属表面をカンバスのように用い、モチーフを鑿(のみ、先の尖った工具、彫刻刀)または鏨(たがね、先の平らな工具)で彫り込みます。彫金家は双眼顕微鏡を使用します。
  • EQ

    パテック フィリップのキャリバー名における略称. 《均時差》の意.

F

  • Facetting – ファセット(切子面)仕上げ

    一部の立体的な植字インデックスは、ダイヤモンドカッターを装着した機械を高速で回転させ、表面にファセット(切子面)を施します。これによりインデックスはよりはっきりした輪郭を与えられます。
  • Fine working – 中間仕上げ

    ケース製作の仕上げ工程。切削工程で生じたばりを取り除き、ラグなどを溶接し、ダストカバー付モデルの場合は、カバーのヒンジを形成します。開口部はスムーズにフィットさせるためアジャストされます。そしてポリッシュ仕上げの準備を行ないます。
  • Fitting – 組立て

    ケースおよびブレスレットの組立て工程です。ケース本体にベゼル、ケースバック、サファイヤクリスタル、防水パッキン、リュウズを取り付けます。この工程は完全な無塵環境で行ないます。組立ての終わったケースは、防水検査、目視検査などの一連の厳格な検査を通過します。
  • FUS

    パテック フィリップのキャリバー名における略称. 《タイムゾーン》の意.

G

  • Galvanization – 電気めっき

    直流電流により、めっきしたい物質を含む溶液からイオンを還元させ、電導性のある物体にその物質(金属など)の薄い層を形成させる技術です。文字盤では、表面の酸化を防ぎ、保護するために行なわれます。例えば真鍮や洋銀の指針の多くには金めっき、地板と受けにはロジウムめっきが施されます。電気めっきは、文字盤に着色を施すために行なわれることもあります。
  • Gemsetting – ジェム・セッティング

    パテック フィリップでは、貴石(ダイヤモンド、ルビー、サファイヤ、エメラルド)を正統的なセッティング技術によりセッティングし、決して接着剤などは用いません。各々の貴石は、あらかじめ施されたくぼみ(ミトライアージュ)に配置し、まわりの金属(通常はゴールド)を盛り上がらせ、盛り上がった金属を寄せて固定します。貴石は鉛直に、軸を揃え、テーブル面が同じ高さで、しかもしっかりと確実に固定されることにより完璧な輝きを与えます。
  • Geneva stripes – コート・ド・ジュネーブ

    ムーブメントの地板と受け、自動巻ローターなどに施される縞模様。パテック フィリップでは、研磨剤をツゲの木のディスクにつけ、ディスクを毎回少しずつ移動させながら直線状に手で動かし、素材表面のきわめてわずかな厚みを削り取ることにより、縞模様を形成します。縞模様は平面であり、金属表面に対してわずかな傾斜角を持ちます。
  • Guilloché work – ギヨシェ装飾

    《エンジンターニング》とも呼ばれます。ケース、ブレスレット、文字盤、ベゼル、場合によりムーブメント構成部品に施されます。パテック フィリップでは伝統的な手動機械を用いて施される彫金装飾です。金属素材に幾何学的で規則正しいパターンを形成します。確実な手さばきと観察眼が必要とされます。人間的な要素が美しさを生み出すのです。ギヨシェ装飾は、懐中時計のダストカバーの装飾によく用いられました。またカラトラバ・コレクションの《クルー・ド・パリ》のベゼルには、ピラミッド型の微細な多数の刻みが施されています。

H

  • Hertz

    工学で用いる振動数の単位 (1 往復振動/秒 = 1 Hertz). Hzと略称.
  • HG

    パテック フィリップのキャリバー名における略称. 《時表示窓》の意.
  • HS

    パテック フィリップのキャリバー名における略称. 《ジャンピングアワー》の意.
  • HU

    パテック フィリップのキャリバー名における略称. 《ワールドタイム》の意.

I

  • IRM

    パテック フィリップのキャリバー名における略称. 《パワーリザーブ表示》の意. 巻上げが必要となるまでの連続駆動可能時間を示します.
  • IZR

    パテック フィリップのキャリバー名における略称. パテック フィリップの開発した《ワインディングゲージ》の意. あと何時間時計が駆動し続けるかを示すのではなく, いつ巻上げる必要があるかを表示します. IRM (パワーリザーブ表示) と間違えないようにしましょう.

L

  • LU

    パテック フィリップのキャリバー名における略称. 《ムーンフェイズ》の意.

M

  • Mirror polishing – ミラー研磨

    ブラックポリッシュ、スペキュラーポリッシュとも呼ばれます。真のミラー研磨は常に手作業で行なわれ、ポリッシング技術中最も高度なものとされ、最高級のタイムピースにのみ見られます。ダイヤモンドの粉末を油に混ぜたコンパウンドを施した亜鉛板の上で、素材を動かして磨きます。光を一方向にのみ反射するため、見る角度により、無限に深い漆黒に見えたり、光沢ある輝きを見せたりします。
  • フライス加工

    フライス盤というCNC工作機械で金属に施す精密な機械加工。金属をわずかに削り取り、表面を滑らかにしたり、微細な段差を施したり、ジェム・セッティングや数字インデックスのためのくぼみを形成したりします。

N

  • NIHS 92-10

    時計の防水性能に関するスイス工業規格NIHS 92-10 (国際規格ISO 2281と同内容). 時計は《防水時計》と呼ぶことができるためには, この規格に準拠していなければなりません.パテック フィリップのすべてのタイムピースは, 保証された水圧より 20%大きい圧力で検査されます. 例えば2.5気圧防水の時計は, 3気圧で検査されます.

P

  • Platinum

    Platinum
  • Pointage – かしめ作業またはポインティング作業

    植字数字インデックスを文字盤に固定する作業。ダイヤモンド砥石(かしめ)、またはポインター(ポインティング)を使い、数字インデックスの足が文字盤裏側に突き出た部分を完全に押しつぶしたり(かしめ)、根元部分を変形させたり(ポインティング)して、しっかり固定します。
  • Polishing – ポリッシング

    最も重要な手仕上げ技術のひとつ。ケースのフォルムを強調し、ケースの各部分にハイライトを当て、ジェム・セッティング、ギヨシェ装飾、彫金装飾を引き立てます。パテック フィリップでは、ポリッシングは、昔から今日まで《ア・ラ・ヴォレ》、すなわち一切力を加えずに行います。これはきわめて高度なポリッシュ仕上げのテクニックであり、熟練、手先の巧みさ、迅速な動作が要求されます。研磨剤を塗ったバフにより行ないます。バフには、求める仕上げ状態に応じて布(コットン)、フェルト(ウールまたは ヤギの毛)、毛髪(天然または人造)などが用いられます。ポリッシングは、ほとんど肉眼で見えない表面の傷を完璧に取り除く役割も持っています。
  • Polishing the faces of the pinion leaves – 歯の端面のポリッシュ仕上げ

    カナ歯車の両側の端面のポリッシュ仕上げです。パテック フィリップでは、このために銅製の椀状のホイールを用い、研磨剤をつけて行います。しかし歯の端面はあまりに小さいため、カナ歯車を作業用の仮の歯車プレートに取り付けてこの作業を行います。ポリッシングを終えた歯の端面は美しい光沢と、酸化に対するより大きな抵抗力を持ちます。
  • Polishing the pinion ends – ホゾの端面のポリッシュ仕上げ

    ホゾ(スチール製の回転軸先端部分)はきわめて細いため、単独でポリッシュ仕上げなどを施すことはできません。何個かの歯車をホルダーに取り付けます。ホルダーを閉じると、ホゾの端面のみが顔を出します。これを革製のグラインダーにかけてホゾの端面のみをポリッシュします。ポリッシングを終えたホゾの端面は、滑らかで凸面をなしています。
  • Polishing the pinion teeth – 歯のポリッシュ仕上げ

    カナ歯車をホルダーに取り付け、ブナの木で作られたディスクに研磨剤を塗り、ディスクを下げてカナ歯車の歯と歯の間に入れると、1個所に切り欠きの施されたディスクが、カナ歯車を回転させながら、すべての歯を美しく研磨します。スチール製歯車の歯の摩擦と摩耗を最小限に抑え、輪列の長寿命が保証されます。
  • PS

    パテック フィリップのキャリバー名における略称. 《スモールセコンド》の意.

Q

  • Q

    パテック フィリップのキャリバー名における略称. 《永久カレンダー》の意.
  • QA

    パテック フィリップのキャリバー名における略称. 《年次カレンダー》の意.
  • QR

    パテック フィリップのキャリバー名における略称. 《レトログラード日付表示永久カレンダー》の意.

R

  • R

    パテック フィリップのキャリバー名における略称. 《ミニット・リピーター》の意.
  • REC

    パテック フィリップのキャリバー名における略称. 《レクタングラー型キャリバー》の意.

S

  • S

    パテック フィリップのキャリバー名における略称. 《センターセコンド》の意.
  • Satin brushing – サテン仕上げ

    素材の表面から均一に光沢を消した仕上げです。研磨剤をつけた回転研磨機などを用いて行います。
  • SID

    パテック フィリップのキャリバー名における略称. 《恒星時》の意.
  • Sinking the holes – くり形面

    ダイヤモンドツールを用いて、あらかじめ機械加工された孔の周囲につけられた皿型のくぼみです。表面はポリッシュ仕上げとなっています。ネジ孔の場合はネジを入れやすくする役割があります。また完璧な美しい仕上げ面をつくり上げます。
  • Sinking the wheels – 歯車のくり形面

    平らな歯車プレートの回転軸の周囲に設けられた皿型のくぼみ、または溝です。昔、潤滑油があまり良質でなかった時代には、潤滑油が回転軸から歯の方に向かって拡散するのを防ぐ目的がありました。今日では装飾を目的として行なわれます。最小のディテールへの配慮により、タイムピースの美しさに貢献しています。機械旋盤にダイヤモンドバイトを装着し、細心の配慮を込めて一個ずつ施し、表面はポリッシュ仕上げとなっています。
  • Smoothing down – 滑らかな仕上げ

    通常、ムーブメント構成部品に施されます。コルク製の台に構成部品を置き、通常紙やすりを用いて行ない、すべての傷やスクラッチを取り除きます。
  • SQU

    パテック フィリップのキャリバー名における略称. 《スケルトン》の意.
  • Straight graining – ヘアライン仕上げ

    構成部品の側面を目の細かいやすりで長さ方向に磨きます。表面は、ビロードのような艶消しとなり、細かいヘアラインがつきます。
  • Sunburst – ソレイユ仕上げ

    回転するブラシと研磨剤を用いて機械により行なう文字盤の仕上げ装飾です。ブラシにより、中央から外周に向かって太陽光線のような放射線状のラインがつきます。

T

  • TO

    パテック フィリップのキャリバー名における略称. 《トゥールビヨン》の意.
  • Trimming – ばり取り

    ムーブメントの地板と受けや構成部品から機械加工で残った削りかす(ばり)をきれいに除去します。通常、先端が尖った三角形のスクレーパーを用いて行ないます。
  • Twenty~4<sup>&reg;</sup>

    活動的な現代女性の要望に応え, 生活のあらゆるシーンにマッチし, コンテンポラリーなデイタイムの服装にも, エレガントなインブニングドレスやジュエリーにも適するようデザインされた, パテック フィリップの婦人用コレクション. デザインは, アール・デコ様式の流れを汲み, 二重のステップとふくらみを持った婦人用ゴンドーロ (4824モデル) からインスピレーションを得ています. 女性の手首にぴったりと優しくフィットするカーブしたケース, これと一体になったスリムなブレスレットが見事なアンサンブルを形作っています. Twenty~4®はパテック フィリップが初めて創作したダイヤ入ステンレススチール・モデルです. ステンレススチール, ローズゴールド, ホワイトゴールド・モデルがあり, サイズはミディアム, スモールの2サイズ. ジュエリーおよびハイジュエリー・モデルが揃っています.

V

  • Velvet finishing – ビロード仕上げ

    通常、文字盤に施される仕上げ装飾のひとつ。2種類のサンドブラストを連続して行ないます。最初のサンドブラストは、細かく粉砕した天然石を水と混合したものを吹きつけることにより、微細な艶消しの表面を得ます。第2のサンドブラストは、酒石英(tartar)を研磨剤として用います。これにより、文字盤にクリーム色の色合いと、ビロードのような感触を持たせることができます。
  • Vertical satin brushing – 縦サテン仕上げ

    銅製のブラシと研磨剤を用いて手作業で行なう文字盤の仕上げ装飾です。細心の配慮を込めてブラシを手前に向かって動かします。

  • アーム

    腕. 部品の各部を繋いでいる細長い部分 (歯車の円周部と中心部を繋ぐアームなど).
  • アール・デコ

    1925年パリで開催された装飾芸術展から生まれた芸術運動で, 直線を多く用い, 幾何学図形を用いて事物を表現することを特徴としています.
  • アクアノート

    1996年, ノーチラスにインスピレーションを得て創作されたスポーツ・エレガンスの最新コレクション. 幾何学形状のケース, 革新的な素材, ねじ込み式リュウズによる安全性など, 数々の特長を備えています. アクアノートは2種類のサイズ (ミディアム, ラージ) とケース (ゴールドまたはステンレススチール) が揃い, コンポジット素材の《トロピカル》バンドまたはメタル・ブレスレットを装着しています.
  • アナログ表示

    指針による時刻その他の表示方法.
  • アプロプリアージュ

    グランド・コンプリケーション工房ではスチール部品のポリッシュ仕上げや受けの面取りなど, 一部の手仕上げは時計製作マスター自身が行います. これを《アプロプリアージュ》 (自家薬篭中のものにする) と呼びます.
  • アラビア数字

    算用数字 (1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 0). 時刻表示に最も通常用いられます. ローマ数字 (I, II, IIIなど)に対する言葉です.
  • 穴あけ

    現代最新のCNCマシニングセンターを用いて最高の精度を実現しています.
  • 穴石 (ルビー)

    ムーブメントでホゾ (歯車などの回転軸) と受け・地板の間の摩擦を減らすために使用するルビーの軸受け. 《その他の部品》に属します.

  • イースターの日付

    イースターの日付は毎年変わります. イースターの日付を決める規則は, 西暦325年, ニケア宗教会議で制定されました. それによると春分 (3月21日) 直後の満月から最初の日曜日をイースター日曜日と定めています. イースターの日付表示を行う複雑な機構はパテック フィリップが特に開発したもので, 1985年12月13日に特許を取得しています. かたつむりカム, レバー, ラックピニオン機構により特殊な歯型カムが毎年一歯分回転し, その年のイースターの日付を表示する仕組みになっています. この機構は今日までキャリバー89のみに採用されています.
  • インデックス

    数字の代わりに用いられる棒状の印. 文字盤に塗装または植字されます. 形状により長方形インデックス, ポインターインデックス (尖ったもの), 仕上げによりラウンドポリッシュ仕上げ, ファセット (切子面) 仕上げなどがあります.

  • ウェストミンスター

    《ストライク機構》の項を参照.
  • 受 け

    受け (ブリッジ) は地板に取り付けて, 地板と共に輪列などの可動部品を挟みます. ホゾ (回転軸の先端) の入る穴が開いています. 受けは通常, 香箱受け, 輪列受け, アンクル受けなど, 挟み込まれる可動部品の名を付けて呼びます. 受けの中には, その形状により《バー》, 《コック》などの名で呼ばれるものもあります. テンプ受け (バランスコック) などは, 最もわかりやすいものの一つでしょう.
  • 浮かし彫り

    彫金技術のひとつ. レリーフまたはバスレリーフともいい, モチーフを浮彫りにしたもの.
  • 腕時計

    手首に着用する時計. パテック フィリップでは機械式およびクォーツ式の腕時計を製作しています.
  • 閏 年

    現行の暦 (グレゴリオ暦) では, 4年ごとに2月の末日を28日ではなく29日としています. これが閏年です. しかし100で割りきれる年 (1700, 1800, 1900...) は閏年とせず, さらに100でも400でも割りきれる年 (1600, 2000, 2400...) は閏年とする, という2重の例外規定を設けています.

  • エネルギーの伝達と時間の分割

    ムーブメントの機構は6つの部分に分けられます. 《エネルギーの伝達と時間の分割》はその3番目のステップです. 機械式, クォーツのいずれも, エネルギーは輪列に伝達され, その過程で同時に時間の分割が行われます. 機械式の場合は主ぜんまいが動力となり, クォーツの場合はステップモーターが動力となります.
  • エネルギーの制御

    ムーブメントの機構は6つの部分に分けられます. 《エネルギーの制御》はその4番目のステップです.
    • 機械式時計では, 輪列をゆっくりした速度で回転させるため, 脱進機 (エスケープメント) というエネルギーの制御の仕組みがあります. これはアンクルと特殊な歯のガンギ車からなっています.
    • クォーツ・ウォッチでは, エネルギーはステップモーターが制御します.
  • エネルギーの生成

    ムーブメントの機構は6つの部分に分けられます. 《エネルギーの生成》はその1番目のステップです.
    • 機械式時計では, 手動または自動により巻上げることにより行われます.
    • クォーツ・ウォッチでは, エネルギーは電池により生成されます.
  • エネルギーの貯蔵

    ムーブメントの機構は6つの部分に分けられます. 《エネルギーの貯蔵》はその2番目のステップです.
    • 機械式時計では, エネルギーは巻上げられた主ぜんまいに貯蔵されます.
    • クォーツ・ウォッチでは, エネルギーは電池に貯蔵されます.
  • エメラルド

    グリーンの貴石, 緑柱石とも呼ばれます. エメラルド・カットはエメラルドに最もよく用いられる貴石のカットです.
  • エンボス加工

    型を金属表面にプレスしてモチーフを浮彫りにする加工です.
  • 遠心ガバナー

    ストライク機構を備えたタイムピースにおいて, 音のリズムを決め, 一定に保つ重要な役割を果たす部品.

  • オーバーホール

    時計のオーバーホールはフランス語で《ラビアージュ》 (服を着せ替える) といいます.修理が必要なら行い, 時計を良好な状態にすることです.
  • オーバル・カット

    貴石のカットのひとつ.
  • オニキス

    瑪瑙 (めのう) の一種. 黒色で縞模様の入ったものの総称. Twenty~4®ステンレススチール・モデルのリュウズにはオニキスがセットされています.
  • オパーリン

    文字盤の仕上げ方法のひとつ. 地に銀めっきを施し, ブラッシングを行い, その後特殊なうわ薬を用いて肉眼では見えない微細な粒子面に仕上げます.
  • 往復振動

    機械式時計では, テンプ (テン輪と髭ぜんまい) の往復回転運動の1サイクル, クォーツ・ウォッチでは, クォーツの振動の1サイクルをそれぞれ指します. 1往復振動は時計製作でいう2 振動 (片道) に相当します.
  • 折り畳み式バックル

    バンドの両端が離れないで観音開きに開閉できるように考案されたバックル.
  • 黄金分割

    別名《神から授かった比率》ともいわれる黄金分割は, ケースのフォルムに完璧な均衡を与える縦横の比率です. この視覚的に快いプロポーションは, ゴールデン・エリプスのデザインの基本となっており, ケースの縦横の比率 (1 : 1.6180) に完璧な均衡を与えます.

  • カ ム

    回転する特殊な外周の形をしたディスク. レバーがバネで外周に押し付けられ, 各種の機能を行います.
  • カウンター

    クロノグラフにおいて, 経過した時間を分単位で記録するサブダイヤル (分積算計). 時積算計や1秒以下の時間を測定するサブダイヤルを備えるものもあります.
  • カセドラル・ゴング

    《ゴング》の項を参照.
  • カット

    カットは, ダイヤモンドの輝きにこの上なく重要です. カットされた各面のプロポーションにより, ブリリアンシー, ディスパージョン, シンチレーションという3つの要素が変化し, 輝きに差が出てきます. カットの良し悪しはPoor, Fair, Good, Very Good, Excellentの5つにグレード付けされており, パテック フィリップはExcellentとVery Goodのみを使用しています.
  • カナ歯車

    カナ真と一体に成形された小型の歯車で, 歯車プレートと合体して歯車を構成します. パテック フィリップのムーブメントではカナ歯車は焼き入れを行ったスチールでできています. カナ歯車の歯はブナの木で作られたディスクに研磨剤を塗って研磨します. 歯の端面は銅製の椀状のホイールを, ホゾの端面は革製のバフを用い, 研磨剤をつけてポリッシュ仕上げを行います.
  • ガラス

    文字盤の表示を読取り, これを保護するための透明な外装部品. パテック フィリップでは傷の付きにくいサファイヤのみをガラスの素材として採用しています (サファイヤクリスタル). ムーブメントを鑑賞するため, ケースバックにも用いられます (サファイヤクリスタルバック).
  • カラット

    • 第1の意味は, ゴールドにおける金の含有率を表します ( ~ 金) . 24カラット (24金) は純金. 時計・ジュエリーの素材は普通18カラット, すなわち18/24 (75%) の純金を含みます.
    • 第2の意味は貴石の重量を表す単位で, 0.2グラムに相当します.
  • カラトラバ

    カラトラバは1932年の発表以来, クラシックの真髄を体現する伝説的なコレクションです. タイムレスな紳士・婦人用ラウンド・ケースのラインは, ドイツの建築・装飾芸術運動バウハウスから直接のインスピレーションを受け, 《機能がフォルムを決定する》という哲学を忠実に反映しています. 超薄型, またはサファイヤクリスタルバック付のケースに《クルー・ド・パリ》, ラウンド・ベゼル, またはダイヤ付ベゼルと, バラエティ豊かなそのデザインにもかかわらず, カラトラバは一目でそれと分かる個性を持っています. 時代と共に進歩し, 発展を続け, 常に新しい特徴を付け加えつつも, 時を超越したクラシックであり続ける, その力こそは, パテック フィリップを特徴づける卓越性の追求をこの上なく体現しています.
  • カレンダー

    現行の暦に従い, 日付, 曜日, 週, 月, 年などを表示する機能で, 次のようなものがあります:
    • シンプル・カレンダー:表示窓または指針により, 1 ~ 31までの数字で日付のみを表示します. 月の末日が30日の月, および2月の終わりには手で日付を進めてやる必要があります.
    • 年次カレンダーは, シンプル・カレンダーと永久カレンダーの中間に位置しています. 年次カレンダーは日付, 曜日, 月名を表示します. 月末が30日か31日かを自動的に判別し, 毎年2月の末日に一度だけ日付調整を行えばよい仕組みになっています.
    • 永久カレンダー:各月末の日付と閏年を自動的に判別します. ですから一年はもちろん, 4年ごとの調整も自動的に行われます. 永久カレンダーは西暦2100年まで閏年を判別します. 西暦2100年は100で割りきれ, 《グレゴリオ暦》の規則により閏年ではないため, 調整が必要となります. 閏年の4年サイクルを判別するため, 永久カレンダーには4年で一回転する複雑な機構が搭載されています.
    • 世紀カレンダー:今日最も高度なカレンダー機構です. このカレンダーは, 1582年ローマ法王グレゴリオ十三世が制定した《グレゴリオ暦》の閏年に関する例外規定に従い, 100で割りきれる年は閏年とせず, さらに100でも400でも割りきれる年は閏年とします. ですから1700年, 1800年, 1900年など, 各世紀の最後の年は自動的に平年となり, 1600年, 2000年, 2400年などは閏年となります. つまり月, 年, 4年, 100年, 400年ごとの調整をすべて自動的にやってくれるのがこの世紀カレンダーです. 例えば, 西暦2000年には2月末日は29日となり, 2100年には28日となります. 次に400で割りきれる年は西暦2400年ですから, 2400年には2月末日は29日となります.
  • 外 装

    時計の外側をなす部分. ケース, 文字盤, 指針, ガラス, リュウズ, バンド・ブレスレットなど. ムーブメントとその直接の付属品以外の総称.
  • 慣性ウェイト (マスロット)

    パテック フィリップ特許ジャイロマックス・テンプにおいて, テン輪円周に設けられた部品. 数個の慣性ウェイトの向きを変えることにより, 精密な緩急調整を確実に行うことができます.
  • 懐中時計

    チョッキのポケットに入れて携帯する時計. パテック フィリップでは機械式の懐中時計のみを製作しています. オープンフェース懐中時計と両蓋懐中時計の2種類に分けられます.
  • 片重り取り (かたおもりとり)

    ムーブメントが進み遅れなく動くためには, テン輪の完璧な均衡が必要です. 水平姿勢でも垂直姿勢でも, 完璧に均衡の取れたテン輪を回すと, ランダムな位置で止まります. テン輪の均衡を取ることを片重り取りといいます. 片重り取りは, テン輪の外周の適切な位置に小さなくぼみを作ることにより行います.
  • 緩急針 (かんきゅうしん)

    従来の緩急調整 (時計の進み遅れの調整) システムにおいては, この緩急針を左右に動かして, 髭ぜんまいの往復振動する部分の長さを変えることにより, 髭ぜんまいの振動数を変えて緩急調整を行っていました. パテック フィリップのムーブメントは, 16-250を除き, 画期的な自社開発のジャイロマックス・テンプを採用してしており, 精密な緩急調整を確実に行うことができます.
  • 角穴車 (かくあなぐるま)

    スチールの歯車. 正方形の穴に香箱真が通っています. 丸穴車に噛み合って回り, 香箱真を回して主ぜんまいを巻上げます. コハゼという部品により逆回転が防止されています.

  • キャリバー

    元の意味はサイズまたは直径. しかし時計製作者たちはやがてムーブメントの意味で使うようになりました. パテック フィリップでは17種類の基本キャリバーを製作しています. これらはそのまま, または《派生キャリバー》といって, 追加機構を搭載した形で用いられます. これらすべてを数えると, パテック フィリップでは38種類の腕時計用キャリバーを製作していることになります. この他, 6種類の懐中時計用キャリバーが製作されています.
  • 切り抜き

    CNC工作機械やプレスを用いて帯状, 板状の素材から部品を切り出す工程.
  • 均時差 (きんじさ)

    真太陽時と平均太陽時の差を《均時差》と呼びます. 均時差は一年を通じ, -16分 (11月3日) から +14分 (2月12日) の間で変動します. この数値を表示するコンプリケーション機能が均時差表示です.
  • 機械加工

    部品を素材から打ち抜いた後に工作機械で行う加工. 切削, 段差, 穴あけ, ネジ切りなどがあります. パテック フィリップでは, 機械加工はすべて最新のCNCマシニングセンターを用いて行います.
  • 機構 (メカニズム)

    部品が組合わされて一定の機能を行う時, これを機構 (メカニズム) と呼びます. 時計にはいくつもの機構が含まれています.
  • 金めっき

    金属表面にゴールドの薄膜を定着させること. ゴールド・プレート.

  • クォーツ

    • クォーツ (水晶) は自然界に存在する結晶です.
    • 今日クォーツ・ムーブメントに用いられるクォーツは, 人工的に合成されたものです. 弱い電流を流すと, クォーツは固有の非常に高い振動数で振動します. クォーツ・ムーブメントはこれを利用しています.
  • くぼみ (ミトライアージュ)

    ジェム・セッティングにおいては, 貴石・半貴石を, 金属表面にあらかじめ機械加工により施されたくぼみにアジャストしつつ固定 (セット) します. 《ミトライアージュ (Mittraillage)》は, 機関銃掃射を意味するフランス語.
  • グランドソヌリ

    《ストライク機構》の項を参照.
  • くり形面

    歯車プレートなどで, 回転軸の入る穴の周囲に設けられた皿型のくぼみ.
  • クルー・ド・パリ

    ベゼルに施された, パリの舗石を意味する著名なピラミッド型の多数の刻み. ダイヤモンドバイトでまず同心円状のカットを入れ, 次に別の機械でやはりダイヤモンドバイトを用い, 今度は放射状のカットを入れることにより施します.
  • クロノグラフ

    クロノグラフとは, ストップウォッチともいい, 出来事の長さを正確に計るための機能です. シンプルなクロノグラフはセンターにクロノグラフ秒針を持ち, 分積算計 (カウンター) と呼ばれるサブダイヤルを備えています. 時積算計や1秒以下の時間を測定するサブダイヤルを備えるものもあります. クロノメーターと混同しないようにしましょう.
  • クロノメーター

    クロノメーターとは, COSC (スイス公式クロノメーター試験) の認証を受けた高精度の時計をいいます. クロノグラフと混同しないようにしましょう.
  • クロワゾネ七宝

    《七宝》の項を参照.

  • ケーシングリング

    ムーブメントの外周とケースの内周の間のスペースに入るリング.
  • ケース

    時計のケースは普通, ケース本体, ベゼル, ケースバックの3つの部分からなります.
  • ケースバック

    ケースの裏側をなす外装部品で, ケース本体に固定されます. ムーブメントを鑑賞するためにサファイヤクリスタルを用いたものをサファイヤクリスタルバックと呼びます. ケース本体に固定する方法には, ねじ込み式, スナップオン式, ネジ止め式があります. サファイヤクリスタルバックには保護のためヒンジ付カバーが設けられることもあります.
    • ねじ込み式ケースバック:ケース裏の内周とケースバックの外周にねじが切ってあり, ケースにねじ込んで固定するタイプのケースバック.
    • スナップオン式ケースバック:ケース裏に圧入する方式のケースバック.
    • ネジ止め式ケースバック:四隅に穴が開いており, ネジ (スクリュー) でケース裏に固定する方式のケースバック.
    ヒンジ付カバー:スナップオン式サファイヤクリスタルバックを保護するためのカバー. ケース裏にヒンジ (蝶番) で開閉できるように固定され, 開けるとサファイヤクリスタルバックを通してムーブメントが鑑賞できます.パテック フィリップのタイムピースには, ケースバックとケース本体が一体になったシングルピース・ケースを用いているものもあります. この場合, 継手巻真を採用したムーブメントが搭載されています.
  • ケース本体

    時計のケースで, ベゼルとケースバックに挟まれた部分. ムーブメントを格納しています.
  • 計 時

    クロノグラフを用いて出来事の長さを測ること.

  • コート・ド・ジュネーブ

    時計の最も著名な装飾技術です. パテック フィリップ・タイムピースの受けと自動巻ローターの装飾に用いられます. クラフトマンはツゲの木を自分で加工し, グラインダーに取り付けるディスクを製作します. 成分が秘密にされた研磨剤をディスクにつけ, これを手で動かし, 部品表面のきわめてわずかな厚みを削り取ることにより, 縞模様が形成されます. 熟練した目と体の動きがこの規則正しい模様を生み出します.
  • ゴールデン・エリプス

    1968年に紳士用モデルとして発表され, 次いで婦人用モデルが加えられたパテック フィリップのコレクション. ゴールデン・エリプスのデザインにあたっては, ヨーロッパの古典建築や絵画において理想的なプロポーションとされ, 2000年以上の歴史を持つ黄金分割法が採用されました. この視覚的に快いプロポーションは, ケースの縦横の比率 (1 : 1.6180) に完璧な均衡を与えています. 自然な優美さで見る人を惹きつけずにはおかないゴールデン・エリプス・コレクションは, コンテンポラリー・エレガンスの偉大なクラシックということができます.
  • コメット・テイル

    時計の外装に見られる傷のひとつ. 小さい欠けの周囲にできたわずかなくぼみ.
  • コラムホイール

    操作レバー・フック, 復針レバー, 連結レバー, ロック・レバーなど, クロノグラフの各要素の位置を決める重要な部品.
  • ゴング

    ストライク機構の構成部品のひとつ.
    • 通常のミニット・リピーター用ゴングは, 片方の先端がムーブメントに固定され, ムーブメント外周をほぼ一周する長さを持っています. ハンマーにより一つが低音, 他方が高音を出します.
    • 《カセドラル・ゴング》は, ゴングがムーブメントをほぼ二周する長さを持ち, 音質, 響き共に格段に優れています.
  • ゴンドーロ

    • 1993年に発表された, 紳士・婦人用レクタングラー, スクエア, クッション型タイムピースのコレクション. 幾何学性とピュアなラインを特徴とするアール・デコ様式からインスピレーションを受けたゴンドーロ・コレクションは, パテック フィリップの遺産である過去の傑作タイムピースからインスピレーションを得, これを現代に蘇らせることを目指しています.
    • ゴンドーロ・コレクションの名称は, 1902年から1930年代にかけて当社がブラジルの販売店ゴンドーロ&ラブリオ社のために製作した《クロノメトロ・ゴンドーロ》に由来しています.
  • 恒星時

    天空上の固定点 (恒星など) を基準にして地球が一回自転するのにかかる時間 (恒星日) を求め, これを24等分したもの. 恒星時は太陽を基準にした《真太陽時》と異なり, 一年を通じて一定です.平均太陽時による一日 (平均太陽日) が24時間なのに対し, 恒星時による一日 (恒星日) は23時間56分04秒です. つまり平均太陽日と恒星日の差は3分56秒です.
  • 香箱 (こうばこ)

    機械式ムーブメントにおいてエネルギーの貯蔵を行います. 歯車 (1番車) と一体になった香箱,および香箱蓋からなり, 中に主ぜんまいを収めています. 主ぜんまいは, 角穴車の回転により, 香箱真の周囲に巻き取られ, エネルギーを蓄積します.
    • 手巻ムーブメントでは, 香箱の内壁に切り欠きが設けてあり, 主ぜんまいの外周端に固定された短いバネがここに引っかかって止まり, ぜんまいが香箱を回転させます.
    • 自動巻ムーブメントにおいては, 主ぜんまいの外周端に香箱の内壁をほぼ一周する長さの《滑りバネ》が固定されており, これが香箱内壁を滑ることにより, 主ぜんまいが巻かれ過ぎて折れるのを防いでいます.
  • 香箱真 (こうばこしん)

    香箱の中心にある回転軸. 角穴車の回転により, 主ぜんまいがその周囲に巻き取られ, エネルギーを貯蔵します.

  • サテン仕上げ

    光沢を消した金属表面の仕上げ. ポリッシュ仕上げと対比されます.
  • サファイヤ

    • 無色透明で傷の付きにくい合成サファイヤ. パテック フィリップではガラスの素材として採用しています (サファイヤクリスタル). ムーブメントを鑑賞するため, ケースバックにも用いられます (サファイヤクリスタルバック).
    • 貴石のひとつ. 鋼玉 (コランダム) の一種. 青以外にも, ピンク, イエローなどのものがあります.
  • サンドペーパー

    紙の表面に研磨剤を付けたもの. サンドペーパーはポリッシュ仕上げ, 滑らかな仕上げ, サークラージュなどに使用されます.

  • ジェムセッター

    貴石・半貴石を金属表面に固定する (セットする) クラフトマン.
  • ジャイロマックス

    パテック フィリップが開発したテンプ (1949年3月15日, 1951年12月31日スイス特許登録). 従来の緩急調整 (進み遅れ調整) システムに代わるもの. 従来の緩急調整システムは緩急針というものを左右に動かして, 髭ぜんまいの伸縮する部分の長さを変えることにより, 髭ぜんまいの振動数を変えて緩急調整を行っていました. ジャイロマックスは, これを一新した画期的なテンプで, テン輪に設けられた数個の慣性ウェイト (マスロット) の向きを変えることにより, 精密な緩急調整を確実に行うことができます.
  • ジャンパー

    スチール部品. 星形の歯車 (星車) の歯と歯の間に入ってこれを停止させます.
  • ジャンピングアワー

    時針ではなく, 表示窓とディスクにより行われる時表示の方法. 数字が正時に瞬間的に変わるため, この名前が付けられました.
  • シャンルヴェ七宝

    平たい鏨で金属素材を平らに削り取り, 削り取った部分に七宝を施す七宝技術.
  • シュマン・ド・フェール分スケール

    分目盛のデザインのひとつ. 鉄道のレールに似ているため, フランス語で《鉄道》を意味するこの名称があります.
  • 七 宝

    金属表面にガラス質 (うわ薬)を融着させたもの. 酸化金属を少量混ぜることにより多種多様な色彩を得ることができます. 炉の中で加熱し, 地の金属に融着させ, ガラス質の均一な皮膜を得ます 文字盤に単一の色彩を施したり, 具象的なモチーフを描いて装飾とします. パテック フィリップでは, 次の2種類の技術を主に用いていいます:
    • 七宝細密画:地となる白七宝の上に下絵を描き, 次いで微細な筆で何層にもわたり色をのせて行きます. 回を重ねるごとに色合いは深くなり, 完成した作品に深みと奥行きを与えます. 一回の彩色ごとに炉に入れ, 850 °Cで加熱, うわ薬を溶解させます. この工程は22回にも及ぶことがあります. 作品には, 最後に《フォンダン》と呼ばれる透明なうわ薬を塗ることにより, さらに深みと輝きが与えられます.
    • クロワゾネ七宝:細い金の線を地の上に固定して作られた《囲い》の中にうわ薬を流し, 色が互いに混ざり合わないようにする七宝技術です. うわ薬は色合いを強めながら何層にも重ねて流し, 一層ごとに炉に入れ850 ℃で加熱します.
  • 七宝画家

    七宝による装飾や, 特に七宝細密画を描くクラフトマン. パテック フィリップはジュネーブが世界に誇るこの伝統芸術の保護育成に貢献しています.
  • 七宝細密画

    《七宝》の項を参照.
  • 主ぜんまい

    機械式ムーブメントでエネルギーを貯蔵する部品. 香箱に収められ, 香箱真の周囲に巻上げられてエネルギーを蓄積します. ゆっくりと緩みながら輪列にエネルギーを伝えます. パテック フィリップの自動巻ムーブメントには, 主ぜんまいが巻かれ過ぎて折れるのを防ぐ《滑りバネ》という仕組みがついています.
  • 修 復

    過去のタイムピースを修理し, 復元する作業. 時計製作マスターの天分と熟練した技術により, 当時使われていたままの工作機械を使って, 足りない部品をつくり出す作業を含みます.
  • 周波数

    1秒当りの往復振動数を周波数といいます. 工学ではHertz (Hzと略称) という周波数の単位が使われます (1 往復振動/秒 = 1 Hz).
    • 機械式ムーブメントのテンプの振動数は5 Hz 以下です.
    • クォーツの振動数は, 通常32,000 Hzです.
  • グランド・コンプリケーション工房の時計製作マスターたちが仕事を行う独立した単位. 時計製作マスターはムーブメント構成部品を仕上げ, 組立てを一貫して行い, ムーブメントに最終調整を施します. 時計製作マスターの長い伝統に立脚したノウハウと技術は, 工房の中で育まれ, 培われ, 次の世代に伝えられて行きます.
  • 指 針

    金属製の外装部品. 文字盤上の数字, インデックス, 目盛などを指し示して表示を行います. パテック フィリップのタイムピースには多岐にわたるタイプの指針が用いられています. 主なものにはドフィーヌ型, ブレゲ式, リーフ型, バトン型, ストレート型, ペア型, 縄型, ルイ十五世式があります.
  • 振動 (片道)

    機械式時計では, テンプ (テン輪と髭ぜんまい) の往復回転運動の1/2サイクル, クォーツ・ウォッチでは, クォーツの振動の1/2サイクルをそれぞれ指します. 1振動 (片道)は1/2往復振動に相当します.
  • 時刻の表示

    ムーブメントの機構は6つの部分に分けられます. 《時刻の表示》はその6番目のステップです. 機械式, クォーツのいずれも, 時刻は指針または表示ディスクを輪列により回転させて表示します.
  • 植 字

    文字盤上に数字,インデックスなどの部品を取付ける方法. パテック フィリップの植字数字・インデックスの素材はすべてゴールドで, ダイヤモンドをセットしたものもあります.
  • 真 鍮

    銅と亜鉛の合金.
  • 真太陽分表示

    第2の分針が, 真太陽時による分 (真太陽分) をダイレクトに表示するコンプリケーション機能. 均時差表示のひとつ.
  • 自動巻

    腕の動きにより回転するローターによりエネルギーを生成する腕時計およびムーブメント. エネルギーを貯蔵する主ぜんまいには, 滑りバネという仕組みがついています.
  • 至 点

    夏至・冬至. 太陽が赤道から最も離れた位置に来る日です. 同時に昼と夜の長さの差が最も大きい日でもあります. 季節の変わり目となります.
  • 圧入またはねじ込み式の円筒形の部品で, はめ込まれた他の部品が自由に回転できます.
  • 集積回路

    クォーツ・ムーブメントの部品. クォーツから得られる交流電流の周波数を逓減し, 波形を整え, ステップモーターにこの電流を送って規則正しく回転させます.

  • スクラッチ

    時計の外装に見られる傷のひとつ. 小さい線状の傷で浅いもの.
  • スケルトン

    構成部品に透かし彫りと彫金を施したムーブメント.
  • スチール

    • スチール部品:ムーブメントを構成するスチール製の部品. 素材は焼入れを施し, 柔軟性を保ちながら硬度を増したスチール.
    • ステンレススチール:外装に用いる素材. 硬く, ジェムセッティングなどの加工には高度な技術を要します.
  • ステップモーター

    クォーツ・ムーブメントでエネルギーの制御を行う部分. 集積回路はクォーツから得られる交流電流の周波数を逓減し, 波形を整えます. これがステップモーターのコイルに送られ, 固定子の磁極を規則正しく反転させ, これにより中の回転子が規則正しく回転します. こうして回転子は輪列を動かします. ステップモーターは機械式ムーブメントの脱進機と同じ機能を持っています.
  • ストライク機構

    ミニット・リピーター:スライドピースを操作することにより, 現在時刻の時, クオーター (15分), 端数の分をそれぞれ異なった音の組み合わせで知らせるものです.
    • グランドソヌリ:正時とクオーター (15分) ごとに時刻を知らせます. 正時には低音でその時刻の数が鳴ります. クオーター (15分) には, まず低音で正時に相当する数が鳴り, 続いて高・低音でクオーターの数が鳴ります.
    • プティットソヌリ:正時には低音でその時刻の数が鳴ります. クオーター (15分) には高・低音でクオーターの数のみが鳴ります (正時に相当する数の低音は鳴りません). さらにミニット・リピーター機構も搭載しており, スライドピースで現在時刻の時, クオーター (15分), 端数の分を鳴らすことができます. グランドソヌリとプティットソヌリは, 通常のゴング, カセドラル・ゴングを問わず, ゴングを鳴らしたくない時は小型スライドピースを動かしてサイレント (無音) モードを選択することができます.
    • ウェストミンスター・チャイム:世界で最も複雑なストライク機構です. スターキャリバー2000は, 5つのゴングを搭載しています. うち4つが著名なウェストミンスターのメロディーを忠実に再現し, 残る1つが正時を打ちます. クオーター (15分) には, それぞれ異なるメロディーが鳴り, 続いて正時に相当する数の低音が鳴ります. 正時には, グランドソヌリと異なり, 第4クオーターのメロディーが鳴り, 続いて正時に相当する数の低音が鳴ります. 音の数は正午と午前零時に最大 (28音) になります. 第4クオーターのメロディーが16音, 正時に相当する数の低音が12音です. スターキャリバー2000は, さらにミニット・リピーターを搭載しています.
  • ストレート型

    指針のタイプのひとつ. 根元から先まで太さが同じもの.
  • スプリット秒針クロノグラフ

    クロノグラフに備えられた第2のクロノグラフ秒針です. スプリット秒針のみを一時ストップさせて中間タイムを測定することができます. スプリット秒針の一時ストップは, 何回でも行えます. 2時位置のプッシュボタンを押してクロノグラフをスタートさせます. クロノグラフ秒針とスプリット秒針は同時に重なってスタートします. 3時位置のプッシュボタンを押すと, スプリット秒針のみが一時ストップし, 中間タイムが測定できます. この間, クロノグラフ秒針は動き続けています. 3時位置のプッシュボタンをもう一度押すと, スプリット秒針が停止していた時間を取り戻してクロノグラフ秒針に追いつき, 2本の秒針は重なり合って時間計測を続けます. 2時位置のプッシュボタンを押すと2本の秒針は一緒にストップし, さらに4時位置のプッシュボタンを押すと, ゼロに復帰します. パテック フィリップでは, ゼロ復帰の前に, スプリット秒針をクロノグラフ秒針に重ね合わせる操作を行うようお薦めします.
  • スモールセコンド

    秒を表示するサブダイヤル. センターセコンドと対比されます.
  • スライドピース

    チャイムやミニット・リピーター付時計のケース側面に備えられたスライド式のスイッチ. ストライク機構を作動させたり, サイレント (無音) モードにしたりする働きをします.
  • 数 字

    時計の時刻表示に用いられ, アラビア数字, ローマ数字があります. ブレゲ数字は《ブレゲ》の項を参照. 文字盤に塗装または植字されます. インデックスと対比されます.
  • 滑りバネ

    自動巻ムーブメントにおいて, 主ぜんまいが巻かれ過ぎて折れるのを防ぐ仕組み. 手首の動きにより主ぜんまいがいっぱいに巻上げられた後も, ローターまたはマイクロローターは回転を続けます. 巻上げをストップさせる仕組みがないと, 主ぜんまいは折れてしまいます. 主ぜんまいの外周端に香箱の内壁をほぼ一周する長さの《滑りバネ》が固定されており, これが香箱内壁を滑ることにより, 主ぜんまいが巻かれ過ぎて折れるのを防いでいます. 香箱内壁には3カ所に凹みを設けてあり, 《滑りバネ》が滑りすぎるのを防いでいます.

  • 旋 盤

    棒状または円形の素材を回転させ, 固定させたバイトでこれを加工する工作機械. 素材を手動で回転させる旋盤を手回し旋盤といいます.
  • 星座表

    恒星と月により夜空の星と月を文字盤の上に再現するコンプリケーション機能. 実際の夜空と同じ動きを行い, 月は満ち欠けを行います. 天空星座図ともいいます.
  • 精緻な仕上がり

    フランス語起源のスイス語表現で, 《よく作る》という意味の《ビアンファクチュール (Bienfacture)》の訳語.
  • 線彫り

    彫刻刀で線を刻んでゆく彫金技術.

  • その他の部品

    パテック フィリップでは, 受け, 地板, 輪列, スチール部品を除いたムーブメントのすべての部品を《その他の部品》と総称しています.
  • 双眼顕微鏡

    双眼鏡のように両眼で見られる顕微鏡.
  • 速度の調整

    ムーブメントの機構は6つの部分に分けられます. 《速度の調整》はその5番目のステップです.
    • 機械式時計では, テンプ (テン輪と髭ぜんまい) の往復回転運動により速度の調整が行われます.
    • クォーツ・ウォッチでは, クォーツの振動により速度の調整が行われます.

  • ダイス

    プレス加工に用いられる工具のひとつ. ダイスは凹面または凸面のものがあり, 素材は, 押し付けられた時にダイスの形状通りに成型されます.《プレス加工》の項を参照.
  • タイムゾーン表示

    2つ以上のタイムゾーンの時刻を同時に表示するコンプリケーション機能. デュアルタイムゾーン・ウォッチは, 《ホームタイム》(出発地の時刻) と《ローカルタイム》(旅先の現地時刻) の2つの異なるタイムゾーンの時刻を同時に表示できる時計です. またワールドタイムは, 世界の24タイムゾーンの時刻を同時に表示できる時計です.
  • ダイヤモンド

    純粋な炭素の結晶. 通常は無色透明ですがピンク, イエロー, ブルーなどの淡い色彩を帯びることもあります. 最高の硬度を持ち, 他のダイヤモンドによってのみ加工することが可能です. パテック フィリップでは最高品質のダイヤモンドのみを使用しています. ダイヤモンドの品質は《4C》, すなわち色彩 (Colour), 透明度 (Clarity), カット (Cut), カラット (Carat), で決まります. パテック フィリップの使用しているフローレス・トップウェッセルトン・ダイヤの色彩は, F (純白+) または G (純白), 透明度は10倍のルーペで専門家が観察しても内包物がなく透明, すなわち最高のグレードに入っています.
  • 段差 (だんさ)

    受け・地板などを削って周囲より低くした部分. 歯車などの可動部品が入るくぼみ.
  • 耐震機構

    テンプの穴石を支える部品で, ショックを受けると上下左右に動いてホゾ (回転軸の先端) の破損を防ぎます.
  • 脱進機 (だっしんき)

    巻上げられた主ぜんまいは, もし何の歯止めもなかったら, 輪列をものすごい高速で回転させ, 一瞬のうちに緩んでしまうでしょう. そこでブレーキをかけ, 輪列をゆっくりした速度で回転させるため, 脱進機 (エスケープメント) というエネルギーの制御の仕組みが必要です. これはアンクルと特殊な歯のガンギ車からなっています. アンクルの2つの爪石が交代でガンギ車の歯の動きを制御します.
  • 鏨 (たがね)

    彫金技術で用いる先の平らな工具.

  • チェーン・ブレスレット

    ゴールドのワイヤーからつくり出されたリンクを組み合わせて製作するブレスレット.
  • チューブ

    中空の円筒形部品. 回転軸, 軸受け, 部品の保護など多岐な用途があります. ケースとカバーをつなぐヒンジの製作にも細いチューブが使われます. 《その他の部品》に属します.
  • 地 板 (ぢいた)

    地板 (メインプレート) は真鍮または洋銀製で, 可動部品の取り付けられるベースとなります. 地板の文字盤側は文字盤の取り付けられる側, ケースバック側は, ケースバックまたはサファイヤクリスタルバックの付く側で, 輪列や受けが取り付けられます.
  • 彫刻刀

    彫金技術で用いる先の尖った工具.
  • 調整ボタン

    ケース側面に統合されたボタンで, 各種の機能を調整するためにあります. 必ず付属のファンクション・ペンシルを使って操作する必要があります.

  • ツバ (振り座)

    テン輪のセンターのディスク. テン輪は左右に往復回転運動をします. その度 ごとに, テン輪のツバ (振り座) に設けられた振り石というルビーが, アンクルの先端部 (クワガタ) を押します. これによりアンクルの反対の端にある2つの爪石が交代でガンギ車の歯の動きを制御します.
  • 筒カナ (つつかな)

    日の裏輪列に属するカナ歯車で分針が付きます. 日の裏輪列とは時針と分針を連動させるための輪列をいいます.

  • ディジタル表示

    時計の表示を指針ではなく数字で行うものをいいます.
  • デュアルタイムゾーン

    《タイムゾーン表示》の項を参照.
  • テンプ (テン輪と髭ぜんまい)

    時計の調速機構. ガンギ車の歯によりアンクルの爪石が押されることにより, アンクルの反対の端に設けられたハコ (クワガタの根元) が, テン輪の振り石を押します. こうしてテン輪に力が加えられ, テンプ (テン輪と髭ぜんまい) の往復回転運動が維持されます. パテック フィリップの多くのテンプはジャイロマックスと呼ばれる独特のものです.
  • テンプ受け

    受けのひとつでテン真 (テンプの回転軸)を支える. 特殊な形をしており,テンプが見えるので簡単に見分けることができます.
  • 手 巻

    手でリュウズを巻上げることによりエネルギーを生成させる機械式ムーブメント.
  • 手仕上げ工程

    パテック フィリップでは, ジュネーブ時計製作の伝統に従ってムーブメント構成部品に対して行われる, 手作業による各種の入念な仕上げ工程をいいます. パテック フィリップ・シール認定規準に準拠した完璧な手仕上げにより, パテック フィリップのタイムピースは, 高い付加価値を与えられます.
  • 電気めっき

    めっきしようとする金属のイオンを含む電解液中で, 直流電流を通すことにより電導体の表面に金属の薄膜を定着させる技術. 受けや地板にはロジウムという金属によるめっきが施されています.
  • 電気分解

    化合物に直流電流を通すことにより, 酸化または還元反応を起こし, 化学分解を行う方法. 電気めっきは, 電気分解の原理を利用したもので, 電導体の表面に金属の薄膜を定着させます.

  • トゥールビヨン

    1801年, アブラアン‐ルイ・ブレゲにより懐中時計のために発明された機構です. その目的は, 時計が垂直の姿勢を取った時, 重力の影響により生ずる進み遅れを補正することでした. トゥールビヨンは, 脱進機 (ガンギ車, アンクル) と調速機構 (ジャイロマックス・テンプ) を, テン真 (テンプの回転軸) を中心に通常1分間に一回転するキャリッジに収めたものです. こうして時計が垂直に置かれた時, 髭ぜんまいの重心がテン真と一致しないために起る進み遅れが相殺されるのです. トゥールビヨンは今日, 腕時計に搭載されています. 構成部品の大きさがきわめて小さいため, トゥールビヨンの製作は技術的な壮挙とされています (直径11ミリ, 重量わずか0.3グラムのメカニズムが69個の部品から構成されています).
  • トップウェッセルトン

    ダイヤモンドの色彩で, F (純白+) または G (純白) のグレード.
  • ドフィーヌ

    指針のタイプのひとつ. 細長い三角形をしています.
  • トロピカル

    スポーツ・エレガンスの最新世代, アクアノートのため, 2年間の開発期間と先端技術から生まれたコンポジット素材のバンド. 海水中や厳しい寒さの中でも, ほとんど破壊することが不可能なほどの強度を持ち, 皮膚アレルギーを起こさず, 張力や紫外線に対する最高の抵抗力を誇っています.
  • 土 手

    脱進機において, アンクルの振れを制限する一対のストッパーをいいます. 通常は《土手ピン》と呼ばれるピンを固定しただけのものですが, パテック フィリップでは, 地板に造り付けの土手《エトコー》を用いています. 《エトコー》はジュネーブ時計製作独特の用語です.
  • 時 計

    「ケース内にムーブメントを収納し, 時刻およびその他様々な複雑さの各種表示を行うもの」という定義だけでは困ります. 時計というものが時刻を知らせる道具以上の価値を持つことを感じとることが必要です. パテック フィリップでは世界最高の腕時計, 懐中時計, 置時計を製作しています.
  • 時計組立てメーカー

    部品を外から買い, 組立て, 調整, 仕上げ, ケーシングのみを行う時計メーカー. 《マニュファクチュール》と対比されます.

  • ナヴェット・カット

    貴石のカットのひとつ. 縦長で《マーキーズ・カット》とも呼ばれます.
  • 縄 型

    指針のタイプのひとつ. 縄のような形状を持っています.

  • 日差 (にっさ)

    ムーブメントが24時間でどのくらい進むか, または遅れるかを秒で表した数値です. 機械式ムーブメントの場合, スイス工業規格NIHS 95-11(国際規格ISO 3159と同内容) によれば, 15日間における平均日差は-4 ~ +6秒以内でなければなりません (直径20mm以上). パテック フィリップ・シール認定規準は次のように定めています.
    • ムーブメント径が20mm以上のものは, 平均日差が-3 ~ +2秒でなければならない.
    • ムーブメント径が20mm未満のものは, 平均日差が-5 ~ +4秒でなければならない.
    • トゥールビヨン搭載タイムピースのパテック フィリップ・シール認定規準ははさらに厳しくなっています:
    • 着用状態をシミュレーションして行なう最終検査において, 計時精度は, 平均日差が-2 ~ +1秒でなければならない.
    • 6つの姿勢で測定した6つの日差と平均日差との差 (最大姿勢偏差) は, 4秒を超えてはならない.
  • 日較差 (にっかくさ)

    同一姿勢において2日間連続して日差を測定した場合の日差の増減値. 機械式ムーブメントの場合, スイス工業規格NIHS 95-11(国際規格ISO 3159と同内容) によれば, 5姿勢における平均日較差は2秒以下でなければなりません (直径20mm以上). クォーツ・ムーブメントの場合, 日較差はほぼゼロに等しい値です.

  • ネジ切り

    円筒形の部品の周囲, または円形の穴の内壁にネジ山を切ること.

  • ノーチラス

    1976年に創作された紳士・婦人用タイムピース, ノーチラスは, 気品に溢れ, 比類のない強靭さを誇る, 究極のスポーツ・エレガンスを体現しています. ノーチラスの成功の秘密は, オリジナリティー溢れる裏蓋のない8角形のシングルピース・ケースにあります. 船の舷窓にインスピレーションを得たベゼルとケースは, 側面から合計4本のネジで強固にネジ止めされ, 高度な気密と防水性能を実現しています. 8角形の各辺は正確な円弧をなしており, そのフォルムは強靭さと気品を兼備えた偉大なクラシックです.

  • ハ コ

    アンクル先端 (クワガタ) の根元を四角く切取った部分. ガンギ車の歯によりアンクルの爪石が押されることにより, 反対側にあるハコがテン輪の振り石を押します. こうしてテン輪に力が加えられ, テンプ (テン輪と髭ぜんまい) の往復回転運動が維持されます.
  • バ ネ

    スチール部品. レバーを回転させたり, 定位置に戻します.
  • バー (バネ棒)

    各々の1対のラグ (ケースの一部をなす2対の突起) の間に挿入し, バンドやブレスレットとケースをしっかりつなぐための外装部品. パテック フィリップの場合, ゴールド・ケースのタイムピースにはゴールドのバー (バネ棒) が用いられています. その理由は, スチールのバー (バネ棒) よりもゴールド・ケースを傷めないからです.同時に摩擦でラグの穴が広がってバー (バネ棒) が抜け落ちる危険も少なくなっています.
  • バー・ターニング加工

    カナ歯車などのムーブメント構成部品を加工する旋盤加工の一種. 特殊な自動旋盤により行われます. 素材となる長いスチールの棒を回転させ, ハードメタルのバイトで一個ずつ加工し, カットされた部品は過熱を防ぐ切削油の油槽に落下します.
  • ハート・カット

    貴石のカットのひとつ. ハート型をなしています.
  • ハートカム

    クロノグラフのスチール部品のひとつ. 復針レバーのハンマーがこれを叩くと, クロノグラフ針がどの位置にあっても, 瞬時にゼロ復帰させることができるように考案され, 特殊なハート型をしています.
  • バウハウス

    1919年, ワルター・グロピウスによりワイマールで創始されたバウハウス (原意は《建築の家》) は, 芸術を建築に統合することを目指す芸術運動で, 純粋芸術と応用芸術のすべての分野にその影響を及ぼしました. ポール・クレー (1921年), ワシリー・カンディンスキー (1922年), ラスロー・モホリー-ナギ (1923年) など多数の芸術家がこれに参加しました. しかし1925年にダッソー, 1932年にベルリンに移転した後, 1933年政権を握ったナチスの弾圧の下で終焉しました.
  • バゲット・カット

    貴石のカットのひとつ.
  • バックル

    バックル
    • ピンバックル:革バンドを留める金具. 四角または円形の《カサ》と, 革バンドの小穴に通す《ツク棒》からなります.
    • 折り畳み式バックル:バンドの両端が離れないで観音開きに開閉できるように考案されたバックル.
  • パテック

    パテック フィリップ創業者のひとりアントワーヌ・ド・パテック(1812 ~ 1877年). ポーランドに生まれ, 1835年ジュネーブに居を定めました. 高級懐中時計の製作にたずさわるようになり, やがて多くの顧客を獲得しました. 1839年, パテック チャペック社を設立. 1844年, ジャン‐アドリアン・フィリップと出逢い, 彼を共同経営者として迎え入れ, 1845年に社名をパテック社と改称. 1851年, 《世界最高の時計をつくる》という社是の下に社名を現在のパテック フィリップ社に改めました.
  • パテック フィリップ・シール

    パテック フィリップは, 最高の品質を保証し, これを世界に広めるため, 当社独自の品質ラベルを創設することを決定しました. それがパテック フィリップ・シールです. パテック フィリップ・シールは, 既存のすべての品質ラベルを凌駕するものであり, ムーブメントのみではなく, ケースをはじめとするすべての外装部品にも適用されます. パテック フィリップ・シール認定規準は, 技術レベル, デザイン, 機能を網羅しています. パテック フィリップ・シールは, タイムピースの実際の使用条件における計時精度を保証します. また製品寿命の全期間にわたるアフターサービスを含んだ唯一の時計に関する品質ラベルでもあります. パテック フィリップ・シールは, 当社のすべての機械式タイムピースに, その複雑さのレベルにかかわりなく適用され, そのエンブレムは受け (ブリッジ) に刻印されます.
  • バトン型

    指針またはインデックスのタイプのひとつ. 棒状をなしています. インデックスの場合は, 長方形インデックスともいいます.
  • パラジウム

    きわめて硬い白色の金属. パテック フィリップでは, ホワイトゴールドの成分としてニッケルではなくパラジウムを使用しています.
  • パワーリザーブ

    機械式時計のパワーリザーブとは, 巻上げが必要となるまでの連続駆動可能時間をいいます. パワーリザーブ表示は, 文字盤上にパワーリザーブを表示するコンプリケーション機能です. パテック フィリップのタイムピースでは, パワーリザーブは48時間から10日間におよびます.
  • パンチ

    プレス加工に用いられる工具のひとつ. 鋭い縁を持つパンチをダイスと呼ばれる型の上に置き, パンチを押し付けて部品を打ち抜いたり, ダイスの形状通りに成型します.《プレス加工》の項を参照.
  • バンド

    革, またはその他の金属以外の素材でできており, 時計を手首に固定します.
  • ハンマー

    ストライク機構の構成部品のひとつ. レバーの一種で一端にハンマー型のウェイトがあり, これがゴングを叩いて音を出します. クロノグラフでハートカムを叩いてクロノグラフ針のゼロ復帰を行わせる復針レバーの部分もハンマーと呼びます.
  • 歯 車

    歯車プレート, およびカナ真と一体のカナ歯車からなり, カナ真を軸として回転するムーブメント構成部品. パテック フィリップでは歯車に面取り, サークラージュ, くり形面, 金めっきなどの多岐にわたる仕上げを行い, カナ歯車の歯はブナの木で作られた研磨剤を塗ったディスクを用いて研磨します.
  • 歯車プレート

    カナ真と一体のカナ歯車と組合わせて歯車をとなるムーブメント構成部品.
  • 歯車切り機械

    カナ歯車と歯車は, 一個ずつ歯車切り機械にかけて歯の切削を行います. 《ホブ》と呼ばれるスクリュー型のバイトが, 一定速度で回転する歯車の材料に正確に歯を刻んで行きます (ホビング加工).
  • 歯車研磨機

    歯車の歯の形を整え, 直径を修正するための昔の機械です. アンチーク・ウォッチの修復や, エボーシュからの懐中時計製作にのみ用いられる, 伝統に忠実な技術です.

  • ピ ン

    圧入またはねじ込み式の円筒形の部品で他の部品を固定, 誘導, 停止させるのに用います. 《その他の部品》に属します.
  • ビアンファクチュール

    《ビアンファクチュール (Bienfacture)》とは, フランス語起源のスイス語表現で, 《よく作る》という意味です. 製品やオブジェの精緻な仕上がりをいいます.
  • ピエゾ効果

    クォーツのような結晶が持つ, 電圧を与えると変形し, 逆に変形させると電圧を生じるという性質. 一定周波数の交流電流をクォーツに流すと, クォーツは一定の周波数で振動 (共振) し, きわめて精度の高い周波数の交流電流を生じます. これがクォーツ・ムーブメントの原理です.
  • ビザンチン

    繊細なモチーフを彫金したすべて手づくりのスタイルのゴールド・チェーン・ブレスレット.
  • ピンセット

    小さい部品を保持するために用いる工具のひとつ.
  • ピンバックル

    革バンドを留める金具. 四角または円形の《カサ》と, 革バンドの小穴に通す《ツク棒》からなります.
  • 日の裏輪列 (ひのうらりんれつ)

    時針と分針を連動させるための輪列.
  • 表示ディスク

    回転する平らで薄いディスクで, 表面に記載されている数字を表示窓を通して読み取ります.
  • 表示窓

    文字盤下の回転ディスクに記された数字などを表示するため文字盤に開けられた窓.
  • 髭ぜんまい

    テンプの一部をなす, 渦巻き状に巻かれた細いバネ. テンプの規則正しい往復回転運動を生み出します.

  • ファセット

    • 貴石のカット方法.
    • カット面が平面になるようにした, インデックスなどの金属表面の仕上げ方法 (切子面). ラウンドポリッシュ仕上げに対比されます.
  • ファンクション・ペンシル

    先端が金属製の棒で, 調整ボタンを押す時は必ずこれを用います. 調整ボタンの操作が必要なパテック フィリップの時計に付属しています.
  • ファンシー・ダイヤモンド

    色を帯びたダイヤモンド.
  • フィリップ

    ジャン‐アドリアン・フィリップ (1815 ~ 1894年). フランス人の時計師. 1842年, 竜頭による巻上げ・時刻合わせの機構を発明. 1844年, パリ万国博覧会で自身の発明を出品中, アントワーヌ・ド・パテックと出逢い, 1845年5月15日, パテック社を共同で設立. 1851年, 《世界最高の時計をつくる》という社是の下に社名を現在のパテック フィリップ社に改めました.
  • フォンダン

    《七宝》の項を参照.
  • プッシュボタン

    指で押すことによりクロノグラフなど各種の機能を操作するための押しボタン.
  • プティットソヌリ

    《ストライク機構》の項を参照.
  • フライバック

    クロノグラフのストップ, ゼロ復帰, 再スタートをひとつのプッシュボタン操作で行う機能.
  • プラチナ

    貴金属. 時計の外装に使用するプラチナ950は純粋なプラチナ95%と他の金属5%からなっています. プラチナは硬い上に展性 (伸びる性質) が大きいため, きわめて加工しにくい金属で, 切削を行う時バイトを傷めやすく, ゴールドよりも加工に3 ~ 4倍の時間がかかります.
  • ブラックポリッシュ

    スチール部品の平面ポリッシュ仕上げ. ミラー研磨とも呼ばれます.
  • ブリリアント・カット

    最もよく知られたダイヤモンドのカット. 57のファセットを持っています. つまりテーブル (上の平らな面) の周囲 (クラウン) に32ファセット, 下の部分 (パビリオン) に24ファセットです.
  • プリンセス・カット

    貴石のカットのひとつ. スクエア型のベースを持ちます.
  • ブルー

    ケース, メタル・ブレスレットにポリッシュ仕上げを行った後, 表面を保護するために施す保護コーティング.
  • プレート

    特別な効果を出すため, 文字盤の表面に金属の膜をつける方法.
  • ブレゲ

    • アブラアン‐ルイ・ブレゲ:スイスの時計師でパリに定住しトゥールビヨンをはじめとする発明を行いました (1747〜1823年).
    • ブレゲ数字:アブラアン‐ルイ・ブレゲの創作した数字の書体でパテック フィリップの一部の文字盤に採用されています.
    • ブレゲ針:アブラアン‐ルイ・ブレゲが創作した, 先端近くが中空になった指針で, パテック フィリップの一部のモデルに採用されています.
  • 分 業

    ムーブメントの組立てが一方で行われ,ケーシングは, 別の時計製作者たちによって行われる, というように行われる製作方法.
  • 分 点

    分点 (春分・秋分) :太陽が赤道の真上に位置に来る日です. 同時に昼と夜の長さが等しくなる日でもあります. 季節の変わり目となります.
  • 分スケール

    文字盤上に分を表示する目盛. シュマン・ド・フェール分スケールなどがあります.
  • 振り石

    テン輪のツバ (振り座) に設けられた円筒形のルビー. 振り石には次の2つの機能があります. まず振り石はテン輪の往復回転運動をアンクルの先端部 (クワガタ) に伝え, これによりアンクルの反対の端にある2つの爪石が交代でガンギ車の歯の動きを制御します. 次にガンギ車の歯によりアンクルの爪石が押されることにより, アンクルの反対の端に設けられたハコ (クワガタの根元) が, テン輪の振り石を押します. こうしてテン輪に力が加えられ, テンプ (テン輪と髭ぜんまい) の往復回転運動が維持されるのです.
  • 振り角

    テンプ (テン輪と髭ぜんまい) は垂直姿勢であれ水平姿勢であれ, 自然に止まる位置 (死点) を中心に左右に往復回転運動を行います. テンプが死点から左右いずれかに最も回転した位置までの角度を振り角と呼びます.

  • ペ ア

    • 指針のタイプのひとつ (ペア型).
    • 貴石のカットのひとつ. 西洋梨の形をしています.
  • ベゼル

    ケース上面をなし, ガラスを保持する部分. ケース本体に固定されます.
  • ベンジン

    揮発性の溶剤.

  • ホ ゾ

    回転軸の細い先端部. 受け・地板に設けられた穴や穴石の中で回転します.
  • ボールベアリング

    自動巻ローターなどで, 硬い金属のボールが2つの可動部分の間で回ることにより摩擦を軽減した軸受け.
  • ポイント

    時計の外装に見られる傷のひとつ. 小さい欠け.
  • 保護コーティング

    機械刻印された番号やロゴのくぼみに金めっきを施した後, 塗られる赤い保護コーティング. 後の工程で施されるコート・ド・ジュネーブやロジウムめっきからこの部分を守るために行います.
  • 宝石鑑定家

    貴石・半貴石を研究・鑑定する専門家.
  • 星車 (ほしぐるま)

    歯が先の尖った3角形をなしている星形の歯車. ジャンパーが歯と歯の間に入ってこれを停止させます.

  • マーキーズ・カット

    貴石のカットのひとつ. 縦長で《ナヴェット・カット》とも呼ばれます.
  • マイクロスクラッチ

    時計の外装に見られる傷のひとつ. ほとんど見えないくらい小さい掻き傷.
  • マニュファクチュール

    デザイン, 研究開発, 構成部品の製作, 組立て, 調整を含む, すべての工程を自社で行っている時計メーカー. 《時計組立てメーカー》と対比されます.
  • 前組立て (プレアッセンブリ)

    あらかじめ一部の構成部品を組み立てること. 前組立ての工程でルビー (穴石) が穴に圧入されます.
  • 巻上げ

    機械式時計の主ぜんまいを巻いてエネルギーを貯蔵する操作. リュウズを回して手で巻上げるか, 自動巻時計の場合は, 手首の動きで自動的に巻上げが行われます.
  • 巻上げ機構

    機械式時計において巻上げを行うための機構.
    • リュウズを回して手で巻上げを行う機構は, ジャン‐アドリアン・フィリップが1842年に発明し, 従来のケースバックに鍵を差し込んで回す方式に取って代わりました.
    • 自動巻時計の場合は, 巻上げは手首の動きで自動的に行われます.
  • 巻真 (まきしん)

    巻上げ・時刻合わせ機構の回転軸. ムーブメント構成部品.
    • 手で巻上げを行う際には, リュウズの回転が巻真の端についているキチ車から丸穴車, 角穴車へと伝達されます.
    • 継手巻真:一部のモデルではケースバックとケース本体が一体構造になっています. このタイプの時計をケーシングする際, ムーブメントは上から入れます. そのため特殊な構造を持った継手巻真を採用しています. 《継手巻真》は巻真を2つに分割し, 継手で繋いだもので, ムーブメントにあらかじめ取り付けられたムーブメント側部分と, リュウズと一体になったリュウズ側部分からなっています. 通常はリュウズ側部分がムーブメント側部分にしっかりはまっています. リュウズを引き出す際, 力を入れすぎるとリュウズが巻真のリュウズ側部分と共に時計から外れることがありますが, これは故障ではありません.

  • ミニット・リピーター

    《ストライク機構》の項を参照.
  • ミラー研磨

    スチール部品の平面ポリッシュ仕上げ. ブラックポリッシュとも呼ばれます.
  • 幹 (みき)

    圧入またはねじ込み式の円筒形の部品で, はめ込まれた他の部品が自由に回転できます.

  • ムーブメント

    パテック フィリップのタイムピースには次の3種類のムーブメントが用いられています.
    • 手巻ムーブメント.
    • 自動巻ムーブメント.
    • クォーツ・ムーブメント. パテック フィリップのクォーツ・ムーブメントは電子部品が10%, 機械部品が90%を占めています.
  • ムーンフェイズ

    地球から見た月の満ち欠けを通常ディスクの回転により表示窓に示します. 月の満ち欠けの4つの状態をサブダイヤルに記し, 指針でムーンフェイズを表示する方法もあります.

  • メカニカル・ブレスレット

    CNCマシニングセンターでリンクを機械加工するブレスレットの総称.

  • 文字盤

    金属素材のプレートでガラスを通して時・分秒などの情報を表示します. 文字盤の素材は通常真鍮ですが, ゴールドカラー, メタリックブルー, およびパヴェ文字盤は, ソリッドゴールドを使用しています. 文字盤の仕上げには格別の配慮がなされています. 仕上げは電気めっき, エンボス加工, ギヨシェ装飾, ラック塗装, メタリック, オパーリン,ジェムセッティング, 本白七宝など多岐にわたります.

  • 夜光剤

    暗闇で判読できるように指針, 数字・インデックスに施す発光性の塗料. パテック フィリップでは放射線を発生する夜光剤は使用していません.
  • 焼き入れ

    スチールの分子構造を変化させ, 硬度・弾力性を増す工程です. スチール部品は, 炉で数分間約800°Cに加熱した後, オイルに浸けて約40°Cまで急激に冷却します. このままではもろいので, 安定させるため再度加熱します. これを焼きなましといいます. 焼き入れ・焼きなまし工程の温度, 時間は, 部品の機能・目的により異なります.
  • 焼き入れ

    スチールの分子構造を変化させ, 硬度・弾力性を増す工程です. スチール部品は, 炉で数分間約800°Cに加熱した後, オイルに浸けて約40°Cまで急激に冷却します. このままではもろいので, 安定させるため再度加熱します. これを焼きなましといいます. 焼き入れ・焼きなまし工程の温度, 時間は, 部品の機能・目的により異なります.

  • 洋 銀

    銅, 亜鉛, ニッケルの合金. 真鍮より酸化しにくい性質があります. ジャーマン・シルバー, マーユショールなどども呼ばれます.

  • ラ グ

    ケースの一部をなす2対の突起. 各々の1対のラグの間にバー (バネ棒) が入り, バンドやブレスレットとケースをしっかりつないでいます.
  • ラウンドポリッシュ仕上げ

    インデックスなどの表面を曲面にポリッシュ仕上げすること. 仕上げ面が平面であるファセット (切子面) 仕上げに対比されます.
  • ラック

    ミニット・リピーターを駆動させる櫛形の歯を持ったスチール部品.

  • リーフ型

    指針のタイプのひとつ. 葉の形状を持っています.
  • リヴァー

    ダイヤモンドの色彩で, D (きわめて純白+) または E (きわめて純白) のグレード.
  • リュウズ

    多くの場合周囲に刻みが入っており, 時刻・日付調整などのため, 親指と人差し指で挟んで各種の位置に引出してから, 回します. 機械式時計ではムーブメントの巻上げにも使用されます.
  • 両蓋懐中時計

    文字盤にカバーのある懐中時計です. ムーブメントは, 3時位置にリュウズがありスモールセコンドが12時と6時を結んだ線上に位置している, という特徴があります.
  • 輪列 (りんれつ)

    ある独立した動きを行う歯車・カナ歯車のグループ. 主ぜんまいのエネルギーが伝達される香箱からガンギ車に至るグループを時回り輪列といいます. 時針と分針を連動させるための輪列は, 日の裏輪列と呼ばれます. 輪列は次の3種類に分類できます.
    • 中間歯車:歯車と歯車の間にあってその回転を伝達するだけの歯車.
    • 増速輪列:動かす側の歯車より, 動かされる側の歯車の方が速く回る輪列.
    • 減速輪列:動かす側の歯車より, 動かされる側の歯車の方が遅く回る輪列.
  • 輪列 (りんれつ)

    ある独立した動きを行う歯車・カナ歯車のグループ. 主ぜんまいのエネルギーが伝達される香箱からガンギ車に至るグループを時回り輪列といいます. 時針と分針を連動させるための輪列は, 日の裏輪列と呼ばれます. 輪列は次の3種類に分類できます.
    • 中間歯車:歯車と歯車の間にあってその回転を伝達するだけの歯車.
    • 増速輪列:動かす側の歯車より, 動かされる側の歯車の方が速く回る輪列.
    • 減速輪列:動かす側の歯車より, 動かされる側の歯車の方が遅く回る輪列.

  • ルイ十五世

    指針のタイプのひとつ. ルイ十五世様式のモチーフを持っています.
  • ルパサージュ

    グランド・コンプリケーション工房特有の作業のひとつ. フランス語で《アイロンをかける》の意. 前工程で製作された各部品を入念に加工し, 部品同士を摺り合わせ, 調整して完璧に動くようにすること. この《ルパサージュ》を今日も行うスイス時計メーカーは数が少なく, パテック フィリップはその希少な伝統を守り育てているのです.

  • レトログラード日付表示針

    円周上を回転する代わりに弧状目盛の上を動く日付表示針. 表示針は弧の端まで動くと, 瞬時に出発点に戻ります. レトログラード表示は時, 分, 日付など, いろいろな目的に使われます. パテック フィリップはレトログラード日付表示付永久カレンダー搭載モデルを何種類か製作しています.
  • レバー

    スチール部品. バネの働きで支点を中心に回転します.
  • レピーヌ

    • ジャン-アントワーヌ・レピーヌ (1720 ~ 1814年). 十七世紀フランスの時計師. 地板と受けからなる現在のムーブメントの構造 (レピーヌ・キャリバー) の発明者.
    • オープンフェース懐中時計. ジャン-アントワーヌ・レピーヌにちなんでレピーヌ懐中時計とも呼ばれます. ムーブメントは, 12時位置にリュウズがありスモールセコンドが12時と6時を結んだ線上に位置している, という特徴があります.
  • レリーフ

    《浮かし彫り》の項を参照.
  • 冷間鍛造

    常温で行う金属の圧縮成型。ケースの製造に使われ, 少しずつ異なる形の型を用いて何度もプレスし, 最終的な形状を得ます. 《プレス加工》の項を参照.

  • ローター

    自動巻ムーブメントの構成部品. エネルギーは, 手首の動きによりローターが回転することにより生成されます. パテック フィリップの時計に採用されているローターには, 次の特徴があります. 素材には18金, 21金, 22金ゴールドなどが用いられます. ボールベアリング軸受を備えています. いずれの方向にも自由に回転できます. 香箱の中に収められた主ぜんまいは, ローターがどちらかの方向に回転している時のみ巻上げられます. ローターがどちらに回転している時に主ぜんまいが巻上げられるかは, キャリバーにより異なります. 自動巻時計が停止した時は, リュウズを何回か回し, 手で主ぜんまいを巻上げる必要があります. 自動巻ムーブメントには, ローターの代わりに超小型のマイクロローターが用いられることもあります.
  • ローマ数字

    ローマ字による数字の表記法. I (1). V (5). X (10), L (50). C (100), D (500), M (1000) と表記します. ローマ数字文字盤では, 4時をIIIIと表記します.
  • ロジウム

    白色の貴金属. 次項を参照.
  • ロジウムめっき

    ロジウムによる電気めっき. 外装では, ホワイトゴールドの表面を美しい銀色にするために施します. またムーブメント構成部品, 特に受け・地板に施して表面を美しくし, 酸化に対する耐性を高めることができます. ロジウム・プレート.